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犬の膿皮症ってどんな病気?放置するとどうなるの?

2025年6月26日

犬の膿皮症は、かゆみや赤みなどの軽い症状から始まり、放置すると炎症の悪化や脱毛、色素沈着、さらには慢性化・基礎疾患の見逃しにもつながる皮膚疾患です。本記事では、膿皮症の原因・症状・進行リスクをわかりやすく解説し、シャンプーやスプレーを活用した日常の予防ケア方法も紹介。獣医師監修の信頼できる情報で、愛犬の皮膚を健康に保ちたい飼い主さんをサポートします。

はじめに

最近、愛犬が体をやたらと掻いたり、皮膚に赤いポツポツやフケが目立ったりしていませんか?「ただの皮膚トラブルだろう」と見過ごされがちですが、それは「膿皮症」という細菌性皮膚疾患のサインかもしれません。

膿皮症は、犬の皮膚に常在する細菌が、何らかのきっかけで過剰に増殖して起きる病気。軽い症状に見えても放っておくと、かゆみや痛みが強まり、皮膚がただれたり脱毛したりと、日常生活に大きな支障をきたす恐れもあります。

本記事では、膿皮症の原因、症状、治療法、予防策までを幅広く解説。愛犬の健やかな皮膚環境を保ちたいと考える飼い主さんに向けて、わかりやすくお届けします。

膿皮症の見落としがちなサイン

膿皮症は、見た目では「ただの肌荒れ」と思われがちですが、実際は皮膚バリアが崩れたサインです。

犬が見せる“違和感”行動に注意

  • 体をしきりに掻く、噛む、舐める
  • 同じ部位を頻繁に擦りつける
  • 特定の部位(背中・脇・お腹など)に赤みやフケ
  • 抜け毛が増え、皮膚が見えてきた

これらはすべて、膿皮症の可能性がある行動や症状です。

膿皮症の主な原因は“常在菌の異常繁殖”

膿皮症の原因菌は、多くが「スタフィロコッカス(ブドウ球菌)」という、もともと犬の皮膚に存在している常在菌。免疫力の低下や皮膚の傷、ストレス、ホルモンバランスの崩れなどで、これらの菌が過剰に増殖し、皮膚に炎症を引き起こします。

また、夏には細菌が繁殖しやすい温度や湿度、体表の皮脂など細菌が過剰に繁殖するのに好条件が揃ってしまうので、季節的な条件でも膿皮症になりやすくなります。

膿皮症は一度発症すると、再発しやすく慢性化することも多いため、「いつもと違う行動」にいち早く気づき、早めの対応が重要です。

放置するとどうなる?進行とリスク

膿皮症は、放っておいて自然に治るケースは稀です。放置することで以下のようなリスクが高まります。

① 炎症の悪化と皮膚の変性

初期には赤みやフケ程度だった症状も、次第に膿疱(にきびのような膿の袋)やただれ、色素沈着、皮膚の硬化など、重い皮膚障害へと進行します。

② 痛みやかゆみによる生活の質の低下

かゆみが慢性化すると、犬は常にストレスを抱えるようになり、睡眠や食欲にも影響。散歩を嫌がる、元気がなくなるといった二次的な行動変化も起こり得ます。

③ 他の病気の発見が遅れる

膿皮症が何度も再発する背景には、アレルギー、甲状腺機能低下症、クッシング症候群、糖尿病など、内科的疾患が潜んでいることもあります。皮膚症状を見逃すことで、これらの重大な病気の発見も遅れてしまいます。

④ 抗生剤の長期投与による副作用

膿皮症が悪化すると、内服抗生物質による治療が長期化し、肝機能や腸内環境に負担をかけることも。特に高齢犬では注意が必要です。

どう対処すればよい?

1. 早期発見・診断がカギ

膿皮症の治療で最も大切なのは、早めに動物病院を受診し、原因や菌種を特定することです。診察では皮膚の検査、菌の培養、薬剤感受性試験などを行うことで、適切な治療方針が立てられます。

2. 症状に合わせた治療法

  • 軽度な場合:抗菌性シャンプーやスプレーによる外用治療が中心
  • 中等度以上:内服の抗生物質を3〜8週間継続する必要あり
  • 再発例・慢性例:アレルギーやホルモン疾患の検査と併行して治療

完治後も2週間程度の“予防的ケア”を継続することで、再発リスクを大きく下げられます。

日頃のケアで膿皮症を予防するには

膿皮症を防ぐためには、毎日のちょっとした気配りやケアがとても大切です。犬の皮膚はデリケートだからこそ、「早めの対策」「こまめな観察」が健康維持の鍵になります。

こまめなブラッシングで通気性アップ

毛のもつれを防ぎ、皮膚の通気性を良くすることで湿気のこもりを防ぎます。抜け毛や汚れを取り除く習慣は、皮膚トラブルの予防にも直結します。

定期的な入浴で皮膚環境を整える

犬の皮膚は人間の1/3の薄さ。刺激が少なく、常在菌のバランスを整える処方のシャンプーを選びましょう。

シャンプーを週に1~2回取り入れることで、皮脂や汚れをやさしく洗い流し、常在菌のバランスを整える助けになります。洗浄後はしっかり乾かし、保湿をすることも忘れずに。

菌が原因だからと言って、殺菌作用の強い薬用シャンプーで洗いすぎてしまうと、かえって肌が乾燥し、肌バリアが壊れて膿皮症になりやすくなることもあります。保湿入浴剤を入れたお風呂で体を流す「保湿入浴」もおすすめです。

外用スプレーやローションで部分ケア

・皮膚が荒れやすい部位(わきの下、内もも、口周りなど)
・乾燥しやすい部位(背中、腰、足先など)
これらには、保湿や抗菌作用のあるスプレー・ローションを日常的に使うことで、トラブルの芽を早めに摘むことができます。

膿皮症の原因となる「肌バリアの乱れ」の一番の原因は乾燥や外部刺激です。常日頃から全身を保湿しておくことで、肌バリアが強化され、トラブルが起きづらいお肌になります。

食事やサプリで内側からサポート

オメガ3脂肪酸やビオチンなどを含む栄養素は、皮膚や被毛の健康を保つ基盤に。バランスの取れた食事とサプリメントもケアの一部と考えましょう。

こうした日々の積み重ねが、膿皮症を未然に防ぐ最善の方法です。愛犬とのスキンシップも兼ねて、ぜひケアタイムを日常に取り入れてみてください。

まとめ

✔ 膿皮症まとめ

  • 見過ごしがちな「かゆみ」や「赤み」は、膿皮症のサイン
  • 放置すれば、炎症の慢性化、痛み、基礎疾患の見逃しなどにつながる
  • シャンプーや早期治療により、多くのケースは改善可能
  • 再発予防のために、日常のケア習慣と皮膚環境の整備が重要

未来のために、今日からできることを
皮膚のトラブルは、早く気づいてあげることで負担を最小限に抑えることができます。そして日々の丁寧なケアの積み重ねが、愛犬の笑顔と健康を守る大きな力になるのです。

これからの毎日が、愛犬にとっても、飼い主さんにとっても心地よく穏やかなものでありますように。皮膚の健康が保たれる未来に向けて、少しずつ、できることから始めていきましょう。

▼かゆみの仕組みとケア方法についてより詳しく解説したコラムはこちら

この記事を書いた人

  • M&N'sCBDのスタッフである商品開発米山と、カスタマーサポート上田でコラムを更新しています。商品のこと、CBDのこと、よくあるお客様の声などについて詳しくご紹介します。

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